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2012年10月15日放送

検証・太陽光発電はバブルか?

沸騰現場の経済学

常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。

検証・太陽光発電はバブルか?

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 毎週金曜日、首相官邸前では反原発デモが行われている。多い時は20万人以上集まるという。そんな中、原発に代わるエネルギーとして期待されているのが、再生可能エネルギーだ。7月1日、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が施行され、さまざまな企業が太陽光発電事業に参入し、まさに太陽光バブルの様相を呈している。太陽光発電は本当に「夢のエネルギー」なのか?

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放送内容詳細

太陽光発電で…過疎の集落が沸騰!

 兵庫県丹波市。山のふもとに山王地区という小さな集落がある。家の数はわずか12軒、住民の数は42人、しかも半数は60歳以上の高齢者だ。ところが、この過疎の集落が今、日本全国から熱い視線を浴びているという。この日も、大型のバス3台で総勢104名が見学にやってきた。その目的は…太陽光発電だ。この山王地区は、川沿いの空き地に太陽光パネルを216枚設置、発電した電気を地元の電力会社に売って儲けていた。年間180万円の収入になるという。それを住民に還元するのだ。おかげで、過疎の為に高額になっていた自治会費6万円が、なんと来年から無料になるという。太陽光発電は、地域を元気にしていたのだ。

ドイツの太陽光発電政策は?

 ドイツ北西部の田舎町カルカール。そこにちょっと変わった遊園地があった。その真ん中には、原子力発電所の冷却塔の形をした異様な建物が…。実はここ、以前は原子力発電所だったのだ。試運転を開始したものの、チェルノブイリの原発事故が起こり、その影響で遂に一度も発電しないまま廃炉となった。その跡地を実業家が買収、なんと遊園地に仕立てたのだ。まさにドイツ脱原発の象徴だった。
 再生可能エネルギーに舵を切るドイツ、実はすでに2000年に固定価格買取制度を導入している。ドイツ南西部のフライブルクでは、街のいたるところに太陽光パネルが敷き詰められ、住民は屋根に設置し、電気を売って上手に暮らしている。ところが、あるドイツの経済専門家は「ドイツの太陽光発電の買取制度は完全に失敗だ」という。太陽光発電が普及するにつれて、消費者に上乗せされる電気代もどんどん値上がりしているからだ。固定価格買取制度などドイツをお手本に再生可能エネルギー政策をするニッポン、太陽光発電の未来は大丈夫か?

NAVIGATOR

辛坊治郎(大阪綜合研究所・ジャーナリスト)

未来世紀ジパング2回目の登場。1956年鳥取県生れ。早稲田大学法学部卒業。
讀賣テレビ、アナウンサーから報道局解説委員長を経て2010年9月に退職。自身が設立した大阪綜合研究所(シンクタンク)へ移籍。讀賣テレビ時代は主に報道・情報番組に携わり視聴者に解りやすく説明する解説に定評がある。主な著書に『日本の恐ろしい真実 財政、年金、医療の破綻は防げるか?』(角川SSコミュニケーションズ)『この国で起きている本当のこと』(朝日新聞社)などがある。

【WEB限定】未来世紀ジパング 特別編

未来予測

太陽光発電で経済再生!

原子力発電所を作る場合、仕事を請け負うのはほとんど決まった大企業だが、太陽光発電の場合は、さまざま企業にチャンスが生まれる。設置するのは町の工務店、パネルを運ぶ流通業や、パネルを作る企業にも仕事が入る。さらに大きなポイントは、この金が(公共事業ではなく)1400兆円あると言われる個人の金融資産から捻出されるということだ。経済活性化…経済のサイクルから言うと、こんなに良い話はない。太陽光発電は内需拡大の切り札にもなり得るのだ。
確かに、太陽光発電が普及すれば電気代が月何百円、何千円増える可能性もあるが、少々高くても自然エネルギーを選ぶのか、それとも安い別のエネルギーを選ぶのか…そこから先は国民の「覚悟」と「判断」になるだろうと、辛坊は考える。

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