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2012年5月7日放送

沸騰の現場 日本脱出!? 日本の個人資産はどこへ行く?

沸騰現場の経済学

常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。

沸騰の現場 日本脱出!? 日本の個人資産はどこへ行く?

日本の資産が、ひそかに海外に脱出しているという。「未来世紀ジパング」のカメラが、その現場に密着した。沸騰現場は、マレーシア、シンガポール、そして、ハワイだ。
成長著しいマレーシア、いま高級リゾートマンションが次々に建設されている。そこに乗りこんだのは日本人ツアー客、驚くことに次々に購入を決めていく。彼らは富裕層か、と思いきや、OLや団塊世代の夫婦など、必死で貯めた資産を投資している人たちだった。その理由は「円高を利用して今購入しておきたい」「政府頼みではなく資産を自分で守りたい」など、目的は自分たちの資産の有効活用だった。さらに隣の国シンガポールでは、地元の銀行に口座を開設し、預金を日本の銀行から移し替える日本人たちが出現していた。ここでも「日本の銀行に預金しても利子もつかない。何もいいことがない」と言う声が...日本から資産が逃げ出しているのだ。
1500兆円あると言われる日本の個人資産。その資産を守るために私達はどうすればいいのか?日本はどう変化してゆくのか、カメラが追った。

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放送内容詳細

マレーシア不動産購入ツアーに密着

日本から飛行機で6時間、東南アジアのマレーシアに到着する。首都クアラルンプールは、まさに急成長の真っただ中、リゾートマンションの建設ラッシュで街中が六本木ヒルズのようだ。そこに日本人の不動産購入ツアーが…バスに乗って1日5件のリゾートマンションを廻る。このようなツアーがマレーシアでは毎週のように行われているという。建設予定地やモデルルームを訪れては、ばんばん購入を決めていく。日本人が物件を購入する理由は投資目的だけではなかった。「日本が潰れちゃうかも、借金はすごいし、年金ももらえるかどうか…」日本への危機感から資産を海外に分散していたのだ。結局、この日参加した18組のうち7組が購入を決めた…

日本の個人資産狙うアメリカ

一方、そんな日本の個人資産を狙って、アメリカも動き出していた。アメリカ永住権、いわゆるグリーンカードを手軽に取得できるプランを打ち出したのだ。通常グリーンカードの審査は非常に厳しく、取得には数年かかっていたが、アメリカ国内に50万ドルを投資すれば、配偶者、子供までがたった1年で取得できると言うのだ。投資先のひとつ、シアトルにある倉庫街を訪ねてみた。以前はひどくさびれていたが、いまやグリーンカードを通じた投資のおかげで再開発が進んでいた。ここにどれほどの日本人が投資しているのか、そのリストを見せてもらうと驚きの事実が…50万ドルを支払った日本人の名前がずらりと並んでいた。アメリカの担当者はこう言った。「日本人の莫大な個人資産が、アメリカを潤しているんです」日本の個人資産がここでも流出していた。

NAVIGATOR

藤巻健史(フジマキ・ジャパン)

日本の債券・為替・株式トレーダー、経済評論家。1950年生まれ。一橋大学商学部卒業後、三井信託銀行へ。1980年にMBA(経営学修士)を取得。1985年外資系金融機関モルガン銀行に転職、異例の日本人東京支店長に抜擢、「伝説のトレーダー」の異名を得る。2000年モルガン銀行を退社。現在、フジマキ・ジャパン代表取締役。著書に「なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか」など
主な著書に『「今のロシア」がわかる本』『原発とレアアース』(共著)など。

【WEB限定】未来世紀ジパング 特別編

未来予測

日本破綻 その先に夜明けが

959兆円もの財政赤字を抱える日本だが、「財政破綻はもはや避けられない」と藤巻は言う。しかしその後、日本は再生すると言い切った。
いずれ来るかもしれない財政破綻に備え、個人でできること、それは「自分の資産は自分で守る」ということだ。将来、国は私たちの資産まで守る余裕はないだろう。しかし誰でも資産を海外に移動できるわけではないし、そこまでやる必要はない。
資産を守る方法として資産を円だけで持つのではなく、外貨などに分散しておくことも一つのやり方だと藤巻は指摘した。
また資産が海外に流出することは、悪いことだけではない。円安効果を生み、日本経済の活性化にもつながる。

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