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2012年5月28日放送

北欧デザインの底力 イケア、そして100円ショップ上陸

沸騰現場の経済学

常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。

北欧デザインの底力 イケア、そして100円ショップ上陸

4月、福岡にある店がオープンした。スウェーデンの家具メーカー・イケア、初めて九州に上陸した。その日は激しい雨にもかかわらず、オープン前から長蛇の列ができていた。客が求めていたのは「安さ」とおしゃれな「北欧のデザイン」だ。日本進出から6年、日本人の心をがっちり掴んだスウェーデン生まれのイケア・ブランドが日本攻略"第2ステージの幕"を開けたのだ。実はいま、スウェーデンやデンマークなど北欧の国々が「第2のイケア」となるべく日本市場を狙っている。まさに「デザイン力」を武器にしたヴァイキングだ。果たして、北欧企業はヴァイキングのように日本から金銀財宝(マネー)を奪っていくのか?

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放送内容詳細

北欧の100円ショップが日本にやってくる!

デンマーク・コペンハーゲンに今、大人気の店がある。店の名はタイガー。いわゆる北欧の100円ショップだ。カラフルでおしゃれなデザインの食器や文房具が低価格で買える。その人気はデンマークだけにはとどまらず、ヨーロッパ15カ国に展開、今年中に200店舗にまで拡大する予定だ。その人気の秘密は…

(1)「色を変えると北欧風に」
地味な商品も大胆なデザインで楽しくなる
(2)「ラベルはシンプルに」
表示はシンプルに、すっきりわかりやすくする
(3)「アイデアを再利用」
世界中から集めた面白商材を、北欧風にアレンジする

そんな発想でヨーロッパを席巻するブランドが、いよいよ7月に日本に上陸する。その場所は…なんと大阪だった。第2のイケアとなるのか?

北欧がつくる「メード・フォー・ジャパン」

北欧デザインで大人気の掃除機がある。その名は「エルゴラピード」。スウェーデン生まれの家電メーカー・エレクトロラックスが作った、長細いスティックタイプの掃除機だ。このヒットを機に、エレクトロラックスが日本向けの商品を開発に乗り出した。なんと日本市場だけをターゲットにした、究極のメイド・フォー・ジャパン。いったいどこが…

(1)「日本人向けにデザイン」
日本の漆塗りをヒントにした日本を意識したデザイン。
(2)「日本の生活を調べ尽くす」
エンジニアが開発の為に、日本で300件の家を訪問。
(3)「日本の客は世界一厳しい」
工場では通常の製品の倍以上の工程を経て製品を作っていた。

副社長曰く「日本はまだまだ有望な市場。日本人が好むプレミア商品を作れば、じゅうぶん戦える」そして、北海道から沖縄まで日本中を制覇すると言いきった。

NAVIGATOR

田中陽(日本経済新聞社 編集委員)

1985年日本経済新聞社入社。1990年流通経済部記者。以来、百貨店、スーパー、コンビニエンスストアなどの流通業を深く取材。主な著書「百貨店サバイバル-再編ドミノの先に-」、「セブン-イレブン 覇者の奥義」(ともに日本経済新聞出版社)など。

【WEB限定】未来世紀ジパング 特別編

未来予測

「行列のできる日本道場」

日本には海外の様々な企業が進出してくるが、それと同時に厳しい目を持った日本の消費者に鍛えられる。まさに「日本道場」だ。日本の消費者が満足した商品は黒帯、つまり「お墨付き」をもらったようなもので、世界に打って出ることも十分に可能だ。まず日本で成功することがグローバル展開の重要な条件になっているのだ。日本企業は今、消極的になっているが、目の前に鍛えてくれる消費者がいる。そんなマーケットの動向をうまくつかめば、必ずグローバル展開できるはず。日本はまだまだ「ジパング=黄金の国」なのだ。

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ご注意下さい

最近、「未来世紀ジパング」に出演できると持ちかけて、多額の金銭を要求する業者があるとの情報が寄せられました。
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