ホームレス問題の歴史・現状・課題

  • 高間 満
    神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 社会リハビリテーション学科

書誌事項

タイトル別名
  • History, Present Situation and Issue of Homeless People Problem

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抄録

本稿では,ホームレス問題の歴史,実態,生活保護による制度的対応を概観した上で,ホームレス自立支援法成立以後の具体的なホームレス支援のあり方について検討した。ホームレスの人々は,歴史的に不定住的貧困として救貧制度から除外され,戦後の生活保護法でも病院や施設への入院・入所以外は救済対象とされず,近年のホームレス訴訟などを経て,ようやく在宅保護の途が開かれた経緯がある。また2002(平成14)年にホームレス自立支援法が成立したが,その主たる対象は就労による自立が見込まれる人々である。そして各自治体では自立支援センターの設置など,自立支援計画を実行しつつある。しかしホームレス自立支援では就労自立の見込みのない人,自立意欲のない人をも並列的に対象とすべきである。また自立支援の推進では行政主導ではなく,公民協働が重要であり,民間団体が開発した資源,ノウハウの活用が有効である。またその具体的支援にあたっては,生活保護の適切な運用の上,「半福祉・半就労」と「社会的つながり」の視点が求められる。さらにはホームレス予防策の整備とともに,市民ぐるみのホームレス支援が重要となる。ホームレス問題は地域福祉の究極的課題である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1574231876700675968
  • NII論文ID
    110004813843
  • NII書誌ID
    AA12124367
  • ISSN
    1880781X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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